遺言がある場合には、遺言に従って相続がなされます。
たとえば、ある人が妻と子ども3人を残して亡くなり、遺産としては、自宅の土地建物と預金があるという場合、法定相続分は、妻が2分の1、子どもが6分の1ずつですから、遺言がない場合には、この割合で相続するということになります。
しかし、たとえば、次男と三男には預金を相続させて、妻と長男に自宅の土地建物は2分の1ずつ相続させる、という遺言があれば、その遺言に従って、妻と長男が土地建物を2分の1ずつ相続できるということになります。
一番手軽な方法は自筆証書遺言です。
遺言をする人が、「土地は誰々に相続させる、預金は誰々に相続させる」といった遺言の本文や日付、名前などを自分で書いていって印鑑を押す方法です。
立会人もいらず自分一人で作ることができます。ほかに、公証人に立ち会ってもらって作成する公正証書遺言や秘密証書遺言という方法があります。
自筆証書遺言では、はじめから終わりまで全部自分で書かなければいけないとか、本文のほかに、日付や名前を書いて、印鑑を押さなければいけないとか、いろいろな決まりがあります。ワープロで作成した遺言は無効ですし、遺言の途中で書き間違えたときなどの訂正の仕方も法律で決まっています。
このように、形式的なミスで無効になる場合もありますし、内容的に、たとえば、遺産の書き方があいまいでよく分からないなんていうこともあります。
それから、相続人の間で、あの自筆証書遺言は、偽造されたものだとか、誰かが無理矢理作成させたものだとか、ということで争いになる場合もあります。
公正証書遺言の場合には、そのような争いになる可能性は低くなります。
「公証役場」で、公証人に作成してもらう遺言です。
まず、遺言をしたいという人は、公証人に、どういう遺言をしたいかを話します。そうしますと、公証人が、それを文章に書き留めて、それを読み聞かせてくれますので、内容を確認します。間違いなければ、遺言者が署名押印するということになります。
一般的には、遺言をしたいという方が公証役場に出かけていって手続きをしますが、病気で入院中などの場合には、公証人が病院や自宅などに出張してくれることもあります。
公正証書遺言の場合、形式的なところで間違えて無効になる可能性は低いですが、証人2人に立ち会ってもらう必要がありますし、また、一定の手数料が必要になります。
遺言の内容を誰にも知られたくないという場合は、秘密証書遺言という方法があります。
これも公証人や証人2人が関与して作成するものですが、内容は本人以外には知られません。
二つの遺言書が発見された場合には、日付の新しいものが有効となり、日付の古いものは無効となります。
古い日付の公正証書遺言と、それより新しい日付の自筆証書遺言があるでも、日付の新しい方が優先します。
自筆証書遺言の場合には、遺言書を家庭裁判所に提出して検認の手続きをとることが必要です。
遺言書に封がしてあれば、この遺言書は、家庭裁判所で、相続人やその代理人の立ち会いのもとでなければ開封することはできません。