法定相続分とは?
相続とは、法律的には、ある人が亡くなった時に、相続人がその亡くなった人の財産についての権利や義務を引き継ぐことをいいます。民法で法定相続人が決められています。たとえば、妻と子ども3人のいる夫が亡くなった場合、法定相続人は、妻と子ども3人です。相続人がどれだけの割合で相続するかも、法定相続分として、法律で定められています。先の例では、妻が2分の1、子どもは残り2分の1を3等分するので6分の1ずつ相続することになります。ただ、被相続人が遺言を残していた場合は、遺言に従って相続することになりますし、相続人の間で話し合って、法定相続分とは違った分け方をする場合も、少なくありません。
親の借金も相続することになるのですか?
相続で引き継ぐのは、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も含まれます。ですから、子どもは法定相続分に従って、親の残した借金を払っていかなければなりません。もちろん、相続人の間の話し合いで、相続人の中の誰か一人がすべての借金を負担することはできますが、それは、相続人の内部の事情ですから、お金を貸した人は、そのような話し合いの結果に拘束されません。
相続放棄とは?
親の財産を相続したくない場合には、相続放棄をするという方法があります。相続放棄をすると、借金を相続する必要もなくなります。相続が開始したことを知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に、戸籍謄本などの資料と一緒に、相続放棄の申述書を提出して手続きをします。ただ、相続放棄の手続きをする前に相続財産を処分すると相続放棄ができなくなります。
遺留分とは?
特定の相続人にだけすべての財産を相続させるというような遺言がある場合でも、配偶者や子、親が法定相続人の場合には、遺留分の権利があるので、一定の財産を相続することが可能です。兄弟姉妹が法定相続人の場合には遺留分の権利はありません。権利を主張したい法定相続人は、基本的には相続開始から1年以内に遺留分減殺請求をする必要があります。相続開始を知らなかったときは、1年を超えても請求できる場合もありますが、それでも、相続開始から10年が経つと請求できなくなります。
自分が死んだ後、法定相続人が遺留分を行使しないように、予めとりうる方法は?
遺留分の放棄という制度があります。これは、相続開始前は、法定相続人が、自分から家庭裁判所に放棄を申し立てて、家庭裁判所が許可した場合に、初めて認められます。家庭裁判所は、遺留分の権利者が、自由な意思に基づいて放棄を申し出ているのかどうか、放棄に合理的な理由や必要性があるか等を厳格に審査した上で、許可するかどうか判断します。裁判所以外で、単に、「私は将来遺留分を放棄します」という念書を取っておいたとしても、それは効力はありません。
遺産分割の方法は?
基本的には、相続人間で遺産分割の協議を行い、協議がまとまった場合には、遺産分割協議書を作成します。相続人間で、協議がまとまらない場合には、家庭裁判所に遺産分割の調停を申立て、裁判所で話し合いを行います。調停でも話が付かなければ審判になります。