交通事故の加害者の責任
被害者に対し、民事上の責任として損害を賠償する責任があります。ほかに、刑事上の責任(罰金、懲役)や行政上の責任(免許取消)もあります。
賠償しなければならない被害者の損害
人身事故の場合、被害者の治療費、休業損害、慰謝料、逸失利益などが、物損事故の場合は、自動車の修理費用などが損害になります。同じ交通事故でも、被害者の職業や収入によって休業損害や逸失利益などの損害の額は変わってきます。
過失相殺とは?
例えば、信号機のない交差点で車同士が出会い頭に衝突した場合は、多くの場合、双方に安全確認が不十分だったという過失があります。このような場合に、どちらにどのくらい過失があったのかということを、過失割合と言い、7:3とか5:5と表現します。様々な事故をパターン化して基本的な過失割合の考え方を示した過失割合の認定基準が作られています。ただ、実際の事故は千差万別 で、いろいろな事情が複雑に絡んでいますので、この認定基準は一つの目安と言われています。 被害者にも過失がある場合には、過失割合に応じて過失相殺がされます。例えば過失割合が7:3で、被害者側にも3割の過失がある場合には、その3割は被害者側の負担ということになります。仮に損害が10万円の場合には、被害者は7万円は加害者に請求できますが、3万円は請求できません。このように加害者が支払うべき損害賠償の金額が、過失割合に応じて減額されることになります。
後遺障害とは?
後遺障害というのは、それ以上、治療をしても、治療の効果が期待できず、症状が固定した状態のことを言います。例えば、事故で足の一部を切断してしまったというときは、治療が終わっても体は元には戻りませんから、治療が終われば症状固定と診断され、後遺障害の認定を受けることになります。自賠責保険では、労災保険における障害の等級認定の基準に準じて後遺障害を重い順に1級から14級に分類し、それぞれについて保険金額を定めています。民事の損害賠償でも、この後遺障害の等級認定を参考にして、後遺症の逸失利益とか慰謝料などを算定しています。
加害者が任意保険に入っていない場合は?
加害者が補償限度額無制限の任意保険に加入している場合には、法律的に加害者が負っている賠償金は、保険会社が支払ってくれます。しかし、例えば、ひき逃げで加害者が分からなかったり、加害者が保険に入っていなくてお金もないというような場合は、十分な賠償が受けられない可能性があります。
交通事故の示談とは?
交通事故の示談は、加害者が被害者に一定の損害賠償金を支払って、被害者は加害者に対し、その金額以上の損害賠償請求をしないという約束をすることをいいます。加害者と被害者の双方の言い分が食い違っている場合にはお互いに譲歩しあってこの約束をするわけです。あとで、争いにならないように、示談書とか免責証書といった書面 に署名捺印をする場合が多いです。一旦、示談が成立すると、脅迫を受けて無理矢理捺印させられたといった特別 な事情の無い限り、それ以上賠償は受けられません。保険会社の提示した示談書・和解書に署名する前に一度、弁護士に法律相談をすることをおすすめします。
示談のあとで後遺症が出てきたときは?
示談をした当時、予想できなかった後遺症が生じた場合は、示談の前提に事情の変更があったとして、改めて賠償請求ができる場合もあります。しかし、何らかの障害がでたとしても、それが交通事故が原因で生じたということを証明するのはかなり難しいのが現実です。ですから、示談書に捺印するときには、充分検討して、慎重に行う必要があります。